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時計修理の値段はどれくらいかかる? 症状別の費用相場や修理内容を解説

メンテナンス

時計修理の値段はどれくらいかかる? 症状別の費用相場や修理内容を解説

普段から身に着けている人にとって、腕時計は自身の体の一部ともいえます。
では、突然その腕時計が突然止まったり、ガラスにひびが入ったりなどで修理が必要になってしまった場合どのような対処をすれば良いのでしょうか。今回は、時計修理の値段はどれくらいかかるのかについて紹介していきます。
症状別に費用相場や修理内容を解説しているので、参考にしてみてください。

【症状別】腕時計の修理にかかる値段と修理内容

ここ数年、スマートフォンやスマートウォッチの登場により腕時計の立ち位置は大きく変革の時を迎えています。当然のように時間がずれず、時間以外の幅広い情報を手に入れることのできるスマートフォンやスマートウォッチの登場により、「もう腕時計は不要」と考えられる方が増えてきているのも事実です。
しかしその反面、一生ものとして末永く使える高級腕時計は、その人の個性やアイデンティティを表現するものとして、時間を知るという機能を超えた存在となり、再評価が加速。その結果、腕時計業界は毎年様々なモデルが誕生し、まさに百花繚乱といえる活発な状況ともなっています。

そんな腕時計を長く使うにはメンテナンスは切っても切れないもの。でも実際にそのメンテナンスがどのように行われるのか。また費用はいくらくらいかかるのかは、一般の方にはなかなかわかりにくいものです。ここではそんな皆様の疑問にお答えすべく、症状別にその内容を解説していきたいと思います。
今回説明する症状はこちら。

  1. 電池が切れてしまった?
  2. ベルトを交換したい!サイズを調整したい!!
  3. ガラス(風防)が割れた!傷が入った!?
  4. 針が取れた…
  5. リューズが抜けた?折れた!?
  6. 防水の為パッキンを交換したい
  7. オーバーホールを出したい!

腕時計を使われていれば、いつかは必ず直面する症状ばかりです。
それでは一つ一つ解説してまいりましょう。

電池が切れてしまった?

電池を動力源とするクォーツ式時計。この時計が突然動かなくなってしまう原因として、一番多く考えられるのが「電池が切れた」、「電池残量がなくなった」という場合です。ただ電池が切れただけならば、家電と同じように新しい電池に入れ替えれば良いのではないかと考えがちですが、腕時計の場合そうはいきません。
一般的に行われる腕時計の電池交換は電池を交換すること以外にも下記のことが行われているのです。

  • 電池の残量確認
  • 消費電流の確認と歩度の確認
  • 防水部品の確認と交換
  • 防水検査

「消費電流」とはその時計が針を動かすにあたり消費する電流量のことです。この値が高すぎると、それはいわゆる「燃費が悪い」状態であり、電池を交換してもすぐに止まってしまい、場合によっては電池を交換しても動かないなんてこともありえます。
「歩度」とは時計の遅れと進みの度合いのことで、ズレが大きすぎる場合は電池交換をしても時間が合わなくなります。
また「防水検査」の結果防水性能が不足していると判断された場合はパッキン類の交換が必要となります。
メーカーのサービスセンターでの電池交換時期の目安と、交換費用は以下の通りです。

電池交換の目安2~3年
交換費用5,000円〜

サービスセンターに送っての電池交換となるため、輸送期間を含め約2~3週間の時間を頂きます。
また、小林時計店ではお店での電池交換も行っています。

小林時計店の電池交換料金交換費用

国産時計1,650円(税込)
舶来時計2,750円(税込)
高級時計3,850円(税込)

作業時間は込み具合によりますが10分~20分程度。ただしこの場合はあくまでも簡易的な電池交換となるため上記のような検査や部品交換は行っておりません。あくまでも電池を交換する作業だけです。

作業内容や価格、作業期間などを考慮し、どこで電池交換をするのかご検討下さい。

ベルトを交換したい!サイズを調整したい!

腕時計のベルトは使用年数が長くなってくるといつの間にか傷がつき、汗や汚れの影響で痛んできます。またサイズが合わなくなり調整が必要になることもあります。
ベルトの素材や構造によって条件は変わってきますが、小林時計店で行う交換費用や調整費用は下記の通りとなります。

修理工程費 用
ベルトの長さや穴の位置調整・金属ベルトの長さ調整… 500円~2,000円程度
・革製ベルトの穴あけ… 500円~
※小林時計店ご購入の時計は無料にて行います
部分的な破損修理工賃…1,500~2,500円程度
※部品交換が必要な場合は別途部品代がかかります。
また店内での修理が不可能な場合メーカーでの修理へ変更となる場合があり、その場合は別途金額が発生いたします
ベルト交換工賃…1,000円~5,000円程度
※小林時計店でベルトをご購入の場合は取付け工賃無料

メーカーでの修理となった場合、一般的に時計の値段が高額になるのと比例して工賃が高くなることが多くなります。その為事前に見積もりを取ることをお勧めします。

ガラス(風防)が割れた!傷が入った!?

腕時計は腕に着けるため、意図せず何かにぶつけてしまいガラスが割れたり傷やひびが入ったりすることがあります。その場合はガラスの交換が必要となります。
腕時計のガラスにはいくつかの種類があり、その種類によって修理費用が変わってきます。

ガラス風防素材費 用
アクリル風防約6,000円~
ミネラルガラス約10,000円~
サファイアガラス約15,000円~

上記はあくまで参考の価格です。ガラスが割れた時の衝撃により内部の機械にも異常が出ていたり、ガラスの破片が機械に入り込んでいたりする場合もあり、オーバーホールが必要となる可能性もあります。
また、ガラスの素材は見ただけでは判別しにくいです。ご自身の時計のガラス素材がわからないときは一度ご相談ください。

針が取れた…

腕時計の針が取れてしまうときは、ほとんどの場合強い衝撃が時計に加わっている可能性が高いです。
多くの場合時計内部の修理と合わせての取り付けとなることが多くなります。
また、針単体の取り付けは小林時計店の店頭では行っておりません。お預かりとなるのでご注意ください。

腕時計のリューズが抜けた?折れた!?

腕時計の時刻修正操作を行うリューズは、操作をするたびに触れるため使用年数によって不具合が発生しやすい部品です。
一般的な時計であれば最低でも5,000円以上の修理料金が予想されますが、素材がゴールドだったり特殊な形状だったりすると金額が跳ね上がることもあります。
また、リューズの劣化は使用年数に影響されるため、リューズ交換だけでなくオーバーホールをしないといけない場合も多いです。
価格が高額になると修理をためらわれるかもしれませんが、放置していると防水性に影響がでたり、時刻修正ができなくなったりするのでなるべく早めの修理をお勧めします。

防水の為パッキンを交換したい

腕時計のパッキンは湿気や汚れなどが時計内部に入らないようにする重要な部品です。
多くのパッキンは特殊なゴムや樹脂等で出来ていますが、年数と共に次第に劣化するため定期的に交換することが理想的です。
パッキン自体は決して高くない部品ですので交換費用は安価にすみますが、パッキンの状態次第では既に内部が劣化してしまっていて、結果としてオーバーホールをしないといけない場合もありますのでご注意ください。

腕時計のオーバーホールを出したい!

腕時計の修理は、複数の症状が複雑に絡み合っていて、部分修理では解決しないことも多々あります。
例えばリューズが抜けてしまう原因が機械内部の油切れや部品の破損であったり、パッキンが劣化している為機械内部まで錆が出ていたり、と結果として複数の部分を修理せねばならないことが多いのです。

そのような場合は一つ一つの修理を重ねていくことはせず、オーバーホールにより完全に修理を行うこととなります。

※オーバーホールに関してはこちらの記事もご覧ください

→ 時計のオーバーホールをする頻度とは?費用相場や適切なタイミングも解説

腕時計におけるオーバーホールとは時計の内部機械を取り出し「分解」し、その分解した部品を「洗浄」し、壊れた部品があれば交換し、再度組み立てた後新しい油をさし、元の時計に戻す作業の事をいいます。時計を常に良い状態で維持しようとすれば、このオーバーホールを定期的に行うことをお勧めします。
時計のブランドや内蔵する機械、その状態にもよりますが、多くの時計ブランドが3年から5年に一度オーバーホールを行う事を推奨しています。
また、この期間にかかわらず、時間がひどくずれだしたりしたときや、使用中に突然止まった時、内部から異音が聞こえた時などの症状が出た場合は、そろそろオーバーホールをした方がよいというサインです。
なるべく早くメンテナンスに出されることをお勧めいたします。
オーバーホールの金額はメーカーにより大きく異なってくるため、ここではなかなか表記しにくいのですが、大まかに言うと下記の通りとなります。

国産ブランドオーバーホール基本料金約10,000円前後~
海外ブランドオーバーホール基本料金約30,000円前後~
オーバーホール期間目安3~5年

上記金額はあくまでも基本料金であり、時計の状態によっては交換部品が必要になったり、特別な修理が行われたりすることもあり追加料金が発生することもあります。そのためオーバーホールに出される際は必ず事前見積もりを依頼することをお勧めいたします。
(※小林時計店ではほとんどの場合、見積もりを提出させて頂いております。)

オーバーホールは修理料金が高くなるため、部分修理だけで終わらせてしまいたいとお思いの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、部分的に修理をしたとしても、他の部分がすぐに壊れてしまい更に費用と時間がかかってしまうことにもなりかねません。
また、オーバーホールには必ず修理後の保証期間が設定されています。修理をした後も安心して時計を使うためにも、必要と案内された際は、出来るだけオーバーホールをされることをお勧め致します。

まとめ:大切な時計を長く使うにはメンテナンスのことも考えておきましょう

症状別の時計修理の内容や、修理料金を紹介してまいりました。皆様どのようにお感じになられたでしょうか。腕時計は宝飾品と並び、人が身に着けるもので最も長く使えるものとも言われています。ただし身に着けるものだからこそ長く使うにはメンテナンスが切っても切れないものとなります。

腕時計は時間を知ることが出来るからこそ腕時計。
正しい時間を知るため大切な腕時計にはなるべく正確であってほしいものです。そのために時にはメンテナンスのことも考えて使われることをお勧めいたします。また、修理に関してはその道のプロでもある、時計店にご相談いただくのもよいかもしれません。

私ども小林時計店では修理技能士の資格を持ったスタッフも在籍していますので、お気軽にお立ち寄り頂きご相談ください。
皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。

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