ZEITWINKEL 273° Saphir(ツァイトヴィンケル 273 ザフィア)の画像
2021年の1月が早くも通り過ぎ、気が付けば昨日は節分、2月になってしまいました。一雨ごとに少しずつ寒さが和らぎ、朝の出勤時に春が近付きつつある事を実感する、One Third Stomach溝正です。
上の写真の時計は、私が大好きな時計ブランド『ZEITWINKEL(ツァイトヴィンケル)』の「273°ザフィア」という時計です。
上に写真は、私が所有している「273°」です。273°ザフィアは、レギュラーモデルの「273°」の文字盤違いの時計です。ザフィアの文字盤は、薄いブラウンのカラーが入ったサファイアクリスタル製で、文字盤の下の機械が見られる様に作られています。インデックスは、アップライトの楔形です。「273°」では植字されていますが、「273°ザフィア」のインデックスは電気鋳造による積層によってアップライトの楔形インデックスを形作っています。中々珍しい文字盤です。
2枚のディスクを使って表示する大型のデイト表示が、10時と11時の位置の中間にあります。この位置に大型のデイト表示が搭載された時計では、多くのモデルが長短針は文字盤の中央から4時方向へずらし、時計の直径よりだいぶ小さく時分表示する時計が殆どです。ツァイトヴィンケル273°の場合は、二桁表示の大型デイト表示部を独自に設計、狭いスペースにデイト表示を詰め込み、時分針を文字盤のセンターに設置する事に成功し、結果として時分針はフルサイズとなり視認性が確保されました。
更に大変狭い限られたスペースしかないのに、1時と2時の中間の位置にはパワーリザーブインディケーターまで搭載されています。因みに、このパワーリザーブインディケーターは一体型のモジュールではありません。パワーリザーブインディケーター部も完全分解が可能で、故障が起こった場合も不具合の有るパーツだけを交換して修理する事が出来ます。殆どの時計メーカーのパワーリザーブインディケーターは、一体型モジュールの為にモジュール一式の交換による修理しか出来ません。結果としてメンテナンス費用は、その分だけ高額になってしまいます。ツァイトヴィンケル273°は、メンテナンス性にも優れた本当に良く出来た時計です。
文字盤裏に見える、鱗のような模様はペルラージュ加工と呼ばれる仕上げ加工です。上の写真の転輪の下にもペルラージュ加工がされているのが見えます。ジャーマンシルバーで作られているテンプ受けやプレートの裏蓋の窓から見える部分には、幅が広めで少し深めにコート・ド・ジュネーブの加工が施されています。パーツを厚めに作り強度を高めた設計なのが、この様な部分からもお分かりいただけるのではないでしょうか。ジャーマンシルバー製のテンプ受けやプレート、ローターのエッジの面取り加工部の仕上げは全て手磨きです。ペルラージュ加工についても手持ちの工具を使用し職人が丁寧に行っています。
ここで紹介した写真では見えませんが、分解しなければ絶対に見えない重なり合った部分や裏側まで、ペルラージュ加工がパーツサイズに合わせて適切に施されています。
ZEITWINKEL 273° Saphir(ツァイトヴィンケル 273° ザフィア)
自動巻(Cal.ZW0103、28,800振動/h、パワーリザーブ72h、時分秒、ラージデイト表示、パワーリザーブ表示)
ステンレスケース(ケース径42.5㎜、厚13.8㎜)、ステンレス製フォールディングバックル付きカーフ手縫いストラップ
両面無反射コーティング サファイアクリスタル製風防、サファイアクリスタル製窓付裏蓋
サファイアクリスタル製文字盤、5気圧防水
価格¥2,035,000円(税込)
本日におブログで御紹介した「273°ザフィア」は、ツァイトヴィンケルの時計の中で最も高額な部類に入る時計です。高価な時計だから、特別に美しく仕上げられているわけではありません。
ツァイトヴィンケルの時計は、¥968,000(税込)からございますが、機械の仕上げについては本日ご紹介した「273°ザフィア」と全く違いがございません。美しい手仕上げの施された機械の時計が欲しい御客様、マイナーな時計メーカーの時計にも御興味をお持ちください。
現在、小林時計店の店頭には、ツァイトヴィンケルの時計が9点展示されています。ツァイトヴィンケルの時計について、お聞きになりたい事が有れば私、溝正までお問い合わせください。溝正宛に御来店いただければ、私が詳しく御説明させていただきます。皆様の御問い合せ、御来店の御予約、御来店を心よりお待ち致しております。
2月は営業日数が少なく、1日1日が本当に大切です。店頭で御客様を御待ちする時間が、最も大切な時間だと再度自分に言い聞かせ、御来店下さる御客様に御満足いただける接客に心掛けねばと決意しつつ、本日はここまで。