10月に引き続き11月もカシオの新製品が熱い!その2
松本2025.11.01
2025.11.01
スタッフブログ
小林時計店小倉店の時計技術者兼Web担当の土井です。
去る10月26日(日)に天神店にて開催された、ジンデポ2周年を記念したイベント「クロノス日本版編集長 広田雅将氏 Sinnトークショー」に撮影スタッフとして参加してまいりました。今回はその様子をイベントレポートとして激アツの熱量でお届けしたいと思います。

なぜこんなに激アツなのかというと…
何を隠そう、私土井は2年ほど前まで「クロノス日本版」の編集部に勤めていました。
2カ月ほど前の松下庵ストラップオーダーイベントでもそうですが、これまでの時計業界の職歴の中でお世話になってきた方々と、このようなイベントで(しかも九州の地で!)お会いでき、そして小林時計店を盛り上げていけるというのが何とも嬉しいのです。

さて、広田雅将(まさゆき)氏といえば、時計好きなら知らない方はいないはず。高級時計雑誌「クロノス日本版」の編集長を務め、時計ジャーナリストとして様々なメディアに出演される、いわば”時計業界のご意見番”。(本人もそうおっしゃっていますが)時計「オタク」ならではの視点で、奥深くまで切り込んだ超絶マニアックな部分まで網羅する凄まじい情報量の解説こそ氏の魅力でしょう。
今回のトークショーもそんな”ヒロタ節”が炸裂しました。ご自身もジンが好きだというのはずっと前から公言されていて、時計を深く知る者ほどジンの魅力に引き込まれるのだといいます。

ドイツらしい質実剛健な時計作りを行うSinn(ジン)は、正式な会社名をドイツ語で「ジン スペツィアルウーレン(=ジン特殊時計会社)」といい、プロフェッショナルに向けた実用時計を作り続けているブランドです。無駄な要素をそぎ落とし、極限まで実用性に振り切ったなんともスパルタンなモデルが揃っていることから、このジン特有の世界観に浸る時計ファンも多いのです。
トークショーでは、ジンの時計づくりがいかに特異的かつ”変態的”なのか(そんなことは直接的に言ってはいないが)、そして注目の新モデルについて詳しい解説がなされていました。

↑ジンが特殊たる理由として、主に次の4つの技術が挙げられます。
まず「ドライカプセル」。時計ケースの内部に侵入してしまった水分を、特殊な乾燥剤が充填されたカプセルが吸収し、湿気を取り除いてくれます。
次に「プロテクトガス」。ムーブメントの潤滑油の劣化は、放電腐食と呼ばれる現象を引き起こし機械に悪影響を及ぼします。ケース内部をプロテクトガス(希ガス)で充填することで静電気や腐食を防ぎます。
続いて「スペシャルオイル 66-228」。ムーブメントが安定して動作するために重要な潤滑オイルで、温度変化によって変質しにくいことが特徴です。-66℃まで粘性を保ち、+228℃まで蒸発しません。
最後に「EDRパッキン」。ケースの防水性を高めるのに最適素材がEDR=超拡散削減パッキンです。一般的なニトリルゴム(NBR)製のパッキンに比べ、水分の浸透が25%ほど抑えられるというものです。

それから広田氏が注目する新モデルの紹介に移ります。個人的に推したいと話すのは「EZM 3 S」。ドイツ警察の特殊部隊のために開発されたハイスペック機、EZM 3をブラックハードコーティング(PVD)で染めた、言わば”最強のツールウォッチ”です。

↑またシンプルなパイロットウォッチの金字塔「556」に追加された3カラーの新作。「最近のジンはお洒落を覚え始めた」と話すように、これまでモノクロな配色でファッション性とは無縁だったジンの文字盤に採用された、数少ないパステルカラーです。型押しによってギヨシェ風のパターンが施され、いい意味でジンらしくない洒落た雰囲気をまとっています。
さて、トークショーが終わるとタッチ&トライの時間へ。新作に加え、定番から限定モデルまで数多くのモデルが一堂に会するのは、九州一の品ぞろえを誇るジンデポ福岡ならではの魅力です。

気になるモデルを実際に手に取って着用しながら、広田氏の生解説付きの商談に入ります。また記念撮影や、直筆サインを求めるお客様もいらっしゃいました。
そんなこんなで、イベントは大盛況で無事に幕を閉じました。天神店の限られたスペースの中で多くのお客様にご来場いただき、また広田氏にも熱量あふれる解説でジンの魅力を語っていただき、大変感謝申し上げます。
今回のイベントレポートはここまで。この調子で今後もお客様に楽しんでいただけるようなイベントを企画してまいりますので、今後ともよろしくお願いします!
最後まで読んでいただきありがとうございました。それではまた!
【おまけ】
