【G-SHOCK最高峰】MR-G 30周年、伝統工芸と最先端技術が融合した特別な一本が発表されました!
熊谷2026.10.13
2026.09.04
グランドセイコー
小林時計店の時計技術者兼Web担当の土井です。新作入荷ラッシュは続きブログ更新もはかどります。

今回ご紹介するのは、グランドセイコーが今年発表して発売を待たれていた新作、白樺モチーフのスプリングドライブモデル、エボリューション9コレクション「SLGB009」です。6月末の発表から2カ月以上が経過し、いよいよ本ブログ投稿日の翌日2026年9月5日にようやく発売開始されます。
この日を待っていたという方も多いことでしょう。しかしながらグランドセイコー側の生産が間に合っておらず、しばらくの間は順番待ち予約という形でご予約を承ります。発売開始日 ≒ 予約開始日の意になってしまうことが販売側としても心苦しいところですが、サンプル機として入荷してまいりました実機をご覧いただくことは可能ですので、ぜひ魚町店にお越しくださいませ。今回はこのサンプル機を超急ぎで撮影できましたので、撮りおろし写真とともにお楽しみいただければ幸いです。

本作エボリューション9コレクション「SLGB009」は、白樺スプリングドライブモデル「SLGA009」の次世代版として発表された新作になります。先代は2022年2月に発売開始されておよそ4年以上もの間生産されたロングセラーで、発売当初から惜しくも生産終了するまで安定して店頭に並ぶことがなかったほどの人気モデルでした。非の打ち所の無い、完成度の高かった先代SLGA009を、さらにより良いものにしようとグランドセイコーが徹底的にアップデートを施した新作SLGB009。”4年前の最良”から”現在の最良”は、果たしてどう変わったのか。写真とともに隅々まで見ていきましょう。

まずは時計の顔である文字盤から。アップデートとは言っても、外見上の大きな変更点はありません。実機を並べて間違い探しをするくらいの話かもしれませんが、確かに細かな部分は変わったな、という印象です。白樺の樹皮をモチーフとした有機的な凹凸のある文字盤は本作を特徴づけるものですが、表面に施されたパターンの入り方が見直され、わずかながら凹凸が大きくなったと感じます。その代わり(写真ではなかなか伝わりにくいですが)表面の光沢感、特にシルバーカラーに光を反射する色味になりました。

特筆すべきは白樺パターンの上面の仕上げ変更で、サンレイ仕上げのように文字盤中心から外側にかけて光の反射の筋が伸びるように反射をします。これは先代には見られなかった意匠です。実機を見ていただくと一番伝わりやすいのですが、文字盤に明るいスポットライトを当てて傾けながら動かすと、写真では写っていないシルバー色の光の筋が見えてくるはずです。また針やインデックスの仕上げは言わずもがな。グランドセイコーは大きくアピールしませんが、視認性に大きく影響するこの針とインデックスの作りの良さは、業界トップだと言っても差し支えないでしょう。長きにわたってGSの実機を見ていると年々上がっていると感じますが、それだけの技術力と手間をかけられる職人と育成環境があってこそ製品に活きるのです。

デザインこそ大きく変わっていないものの、外装素材は別物になりました。先代までが使用していた通常のステンレススチールから、本作ではグランドセイコー独自のステンレス素材である「エバーブリリアントスチール」へ。その特性は、プラチナにも似た白っぽく明るい光を反射する色味であることと、耐食性に優れていること。特に腐食しにくさについては数値に現れており、金属素材の耐食性を評価する「孔食指数」において通常のステンレスが20ほど、一部の高級時計に使用される904Lステンレスが35ほどであるのに対し、GSのエバーブリリアントスチールは40以上と、いかに腐食にしにくいかが分かります。汗などの水分に強く、長く美しい輝くを放つこの素材は高級時計にこそ相応しい新世代の金属なのです。

それから、時計そのものの使いやすさの面において、ブレスレットのクオリティは欠かせない要素です。前世代にはなかった要素として新たに加わったのは、微調整をしながら4つのポジションで延長できる新設計のバックルです。これは今年春に発表された”Ushioダイバー”ことSLGB023ではじめて採用されたもので、同エボリューション9コレクションで徐々に普及していくと思われます。
上の写真の左は縮めた状態、右は最大まで延長した状態。長さにしてコマの半分ほどですが、特に蒸れやすい夏場などブレスレットを緩めたいときに重宝するでしょう。三角矢印の付いた部分をバックルプレート側に押しながらスライドさせるとポジションを変えることができます。

アップデートを果たしたのは外装だけではありません。時計の心臓部であるムーブメントは先代からの4年の間で精度基準を大きく変えるものが開発されました。それが、2025年にSLGB003”樹氷”として製品化された、スプリングドライブのU.F.Aキャリバー9RB2です。U.F.A.とは「Ultra Fine Accuracy(ウルトラ・ファイン・アキュラシー)」の略で「超高精度」の意味を持ちます。これまで月差±10秒だった精度は「年」差±20秒となりました。精度が高いため月ではなく年で示すようになったのです。
この”超”高精度となったのは、使用する水晶振動子の形状や、それに付随する温度補正機能を全面的に見直して精度を可能な限り追い求めたから。機械式と似たような感覚で精度の微調整ができる緩急スイッチを搭載したり、歯車の軸の磨きの水準を高めたりするなど、パーツひとつひとつ細部に至るまで見直したといいます。事実、ゼンマイ駆動のムーブメントとして世界最高の精度を実現しました。
先代とスペックの違いはパワーリザーブです。SLGA009が搭載するキャリバー9RA2は5日間だったことに対し、新しいキャリバー9RB2は3日間と劣りますが、これは精度を優先した設計の結果でしょう。シースルーバックになった裏面からゼンマイの残量を示すパワーリザーブインジケーターが見える仕様は引き継がれました。

…さて、アップデートされた点をざっくりご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。分かりやすい目に見えての進化は少ないですが、じっくり見ると気づく点や実際に使ってわかるユーザビリティの向上、そして1カ月以上着用して実感する精度の高さなど、使う人のことを第一に考えて改良された点がお伝えできたかと思います。グランドセイコーの名作は4年でここまで変わったのです。
本作エボリューション9コレクション「SLGB009」は、2026年9月5日からご予約を承ります。ご興味のある方は、遠方からでも遠慮なくぜひお気軽にお問い合わせください。土井のX(@doi_kobayashi)のDM等でも大歓迎です!
最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた!