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グランドセイコーの2026年最注目モデル「Ushio 300 Diver」入荷。実用性を追い求めた完全新作ダイバーズの魅力をご紹介

グランドセイコー

小林時計店小倉本店の時計技術者兼Web担当の土井です。唐突ですが、もうすぐ夏が来ます。夏と言えば何でしょう?私はダイバーズウォッチだと思うんです。夏が始まるタイミングでよくダイバーズウォッチ特集なんていう記事を見ますので、今回はそれに乗っかって、というわけではないうのですが……2026年夏がもうすぐ到来する非常にいいタイミングで、魅力あふれるダイバーズウォッチが入荷しましたのでご紹介いたします。

それがこちら。グランドセイコー「エボリューション9 コレクション スプリングドライブU.F.A. Ushio 300 Diver」のブルー文字盤モデル、SLGB023でございます。

グランドセイコー「エボリューション9 コレクション スプリングドライブU.F.A. Ushio 300 Diver SLGB023」ブライトチタン製ケース(直径40.8mm 、厚さ12.9mm)。300m防水、ねじ込み式リュウズ。スプリングドライブ自動巻き(Cal.9RB1)、パワーリザーブ約72時間、年差±20秒。165万円(税込み)。2026年6月8日現在、魚町店にて在庫あり。

先日ご紹介したクレドールのロコモティブ GCCR995と同様に、本作も今年のウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブでお披露目されたモデルで、しかもこれまでの色違いなどではなく、ゼロから新規で作り上げた”完全新作”となっております。発表から2カ月ほどが経過した今、ようやく入荷してくれました。同時に発表されたグリーン文字盤モデル(SLGB025)は残念ながらグランドセイコーのブティックもしくはサロンのみで取り扱いができるモデルなので、小林時計店への入荷はございません。ご了承くださいませ。

さて、”Ushio 300”と名付けられた本作ですが、実はグランドセイコーがダイバーズモデルを発表するのは3年ぶりのことであり、なおかつ歴代のGSダイバーズモデルの中で最小サイズとなりました。しかもこれまではダイバーズらしくスポーツコレクションに属していましたが、本作は”白樺”などが属するエボリューション9コレクションの一員となったことにより、高精度なスプリングドライブムーブメントを搭載するなど、デザイン・機能性ともに大幅な進化を遂げています。

スポーツ(ダイバーズ)ウォッチを”エボリューション9”として解釈し、グランドセイコー最新の技術を投入するとどうなるのか。その答えがうまく具現化されている1本です。まず実際に手に取ってこれまでと大きな違いを感じたのはやはりサイズと軽さ。スポーツコレクションに属する既存のダイバーズモデル(SBGH289)は直径43.8mm/厚さ14.7mmであるのに対し、本作は直径20.8mm/厚さ12.9mm。ケース自体はひと回り小型・薄型化されていながらこれまでに無い力強さを感じさせ、エッジの立ち方などを含めた細かなディテールには”白樺”譲りの技術的要素が反映されています。外装を取り巻く素材は、ステンレススティールより約30パーセント軽量で耐傷性に優れた独自素材「ブライトチタン」製です。

本作の顔である文字盤には”Ushio 300”と呼ぶに相応しい型押しの波模様が。これは島国である日本を取り巻く潮流の躍動感を表現したという新しいパターンで、思わず大海を眺めているような気分にさせてくれるほどのリアリティがあります。

↑文字盤にフォーカスした1枚。グランドセイコーの型押し文字盤は、パターンの細かさや奥行きが毎度のように進化していることを実感します。型押しさせたベースの上にラッカー塗料を”極厚塗り”するのは、今やグランドセイコーのお家芸。色味は文字盤外周へ行くにつれて濃くなるグラデーションがかけられ、さらにその上から複数層のクリアラッカーを重ねているそう。パワーリザーブのインジケーターが機能性とアクセントを加えています。

特に感心したのは表面の仕上げ。文字盤は美しくあっても、本作で求められるのはダイバーズとして十分な視認性を確保することです。上の写真では伝わりにくいですが、クリアラッカーの表面はマット仕上げ。つまりラッカーの艶が生む光の反射を、マット仕上げで抑えることで文字盤を見やすくしているわけです。加えて針やインデックスの形状も見直され、エボリューション9の文法に則ったものへ。インデックスがこれまでのドット型からバー型になったことで、スタイリッシュな印象を持たせる顔つきへ変化しました。

↑ダイバーズウォッチで最も重要な要素である逆回転防止ベゼルは表面がセラミックス製で、角には筋目入りの面取りが施されています。ケースに伴ってベゼル自体も薄型化されていますが、操作性は好印象でした。

専用のブレスレットもケース本体同様にブライトチタン製のため軽量で、快適な装着性を第一に考えられている形状。コマひとつひとつは”白樺”同様に厚みを持たせており、低く重心を落としたケースとの重量バランスを考慮しての設計となっています。
↑特に大きく変わったのは片開式のバックル部分です。画像上はバックルのロック機構。両サイドに小さなボタンがあり、それを同時押しすると開く構造は通常のバックルと同じですが、本作ではさらにダブルロックのためのGSロゴ入りスライドボタンがあります。写真のように赤いラインが見えているときはロックがかかっていないという印になるので確認するうえで非常に安全です。また画像下の写真は、スライドして長さを2mmずつ微調整できるエクステンダー。ロックを解除すると18mm延長できるパーツもあるため、容易にウエットスーツから装着することもできます。

このような仕組みは既存の高級ダイバーズウォッチに備わっているものですが、本作でグランドセイコーが強く意識したのは安全性と操作性の両立でしょう。スライドするボタンを大きくして操作性を上げ、赤いラインの見え隠れでロックが十分かどうかの確認も容易。パーツひとつひとつの剛性が高いので、海中での”実戦”でも信頼できるものに仕上がっています。またこのような利便性は、懐中だけではなく普段使いをするうえでも大いに役に立ちます。

そして、本作の実用性を見えない部分で支えている大きな要素が、スプリングドライブ式の自動巻きムーブメントです。

搭載されるキャリバー9RB1にはU.F.A.という名称がつけられており、これは[Ultra Fine Accuracy=超高精度]を表現。2025年に完成し、同じくエボリューション9コレクションの小型モデル「SBGB003」に初めて搭載されたスプリングドライブU.F.A.Cal.9RB2から日付表示を省いた新仕様になっており、それはしっかりとした感触のある1段引きリュウズが証明しています。機械自体の厚みの面では、日付に関する機構を取り除いたことで5.02mmから4.7mmになり、これもケースの薄型化に貢献している要素のひとつです。

その驚きべき精度は、年差±20秒(平均月差±3秒相当)。これまでの標準的なスプリングドライブが平均月差±15秒だったことを考えると、”Ultra”に名に相応しい目覚ましい進化です。これは搭載するICや水晶振動子を専用設計で新規開発したことに起因します。水晶振動子の振動数は温度によってわずかに変化するため、ICに搭載された温度センサーが時計内部の温度測定を1日に540回も行い、その都度自らで精度調整を行っています。

↑ムーブメントを鑑賞することはできませんが、実用性を考えてのソリッドバック仕様。中央にはグランドセイコーのトレードマークである獅子の紋章のメダリオンが配置されています。

またこのダイバーズウォッチにU.F.A.のスプリングドライブ機械を載せたのは、ただ単に精度が優れているからではありません。ゼンマイで動作するスプリングドライブは突然の電池切れで止まる心配がなく、残量はパワーリザーブで確認できます。加えて高速で振動するテンプを含む「脱進機」を持たないため衝撃にも強く、実用にうってつけの機械と言えるわけです。

…いかがでしたでしょうか。グランドセイコーが完全刷新した超本格派ダイバーズウォッチ、「エボリューション9 コレクション スプリングドライブU.F.A. Ushio 300 Diver」。高級クォーツ機に引けを取らない驚くべき精度を誇るスプリングドライブムーブメントを搭載する本作は、細部まで実用性を考え抜いて作られた傑作と言えるでしょう。

本ブログを投稿した2026年6月9日現在は小倉の魚町店で実機をご覧いただけますので、ぜひとも直接ご自身の腕に載せて、小型化された本作の魅力をじっくりと味わっていただきたいと思います。….が、グランドセイコーの公式オンラインブティックでは発売開始以来、入荷待ちが続いている状況もあり、今はまだ供給が安定していないモデルでございます。

ご遠方の方でもお気軽に現在の在庫状況など[お問い合わせフォーム]もしくはお電話にてお問い合わせくださいませ。また土井のXアカウント(@doi_kobayashi)のDM等でもお気軽にどうぞ!

北九州で時計談義、しませんか?今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。それではまた!

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